グローバル危機における他者認識・perception研究プロジェクト

「グローバル危機における他者認識・perception研究プロジェクト」とは

 国際関係論では安全保障のジレンマなど外交アクター間の「誤認」が紛争を生む要因となるとの議論があるが、そうした視点はミクロレベル(文化人類学、文学、心理学)、メソレベル(社会学)においてもみられる。特に相互認識の手段である言語・非言語によるコミュニケーションが、そのツールの多様化によってますます複雑化し、情報選択の自由度を高め、結果「誤認」や「恣意的解釈」の幅を広げているともいえる。
 こうした視点から、現在国際社会に広く広がるポピュリズム、排外主義や宗派主義のみならず、「恐怖の壁」が突然崩れたという「アラブの春」型集合行為の頻発、また他者に対する脅威視を政治化するsecuritisationの議論など、幅広く「対立」「衝突」「排除」「集団化」といった現象を取り上げ、分析する。
 その際、政治学、社会学的手法のみならず、さらには文化人類学などのエスノグラフィックな手法を大いに活用する。そこでは、現代の日常世界や歴史に現れる、映像などのシンボルや文学などのテキストを分析しつつ、グローバル関係学がテーマとする複層的、多重の関係性がいかに交錯するかという課題に対して、独自の分析視角を追求する。

メンバー

酒井啓子(領域代表)
鈴木恵美(計画研究A01)
増原綾子(計画研究A01)
池田明史(計画研究A02)
福田宏(計画研究B01)
山本薫(計画研究B01)
丸山淳子(計画研究B03)
石田憲(計画研究B03)