特別ワークショップ「『オイルショック』から50年:石油危機は、産油国、国際政治と日本をどう変えたのか」(9月18日配信)

特別ワークショップ
「オイルショックから50年:石油危機は、産油国、国際政治と日本をどう変えたのか

 半世紀前の1973年10月、第四次中東戦争でイスラエルと対峙するアラブ産油国は、「イスラエルを支援する国々には原油の輸出を行わない」との決定を行い、原油価格が急騰しました。1973年初頭から一年強の間に原油価格は四倍に跳ね上がり、原油輸入に依存する先進国は大きな打撃を受けました。日本もその例外ではなく、トイレットペーパの買い占め騒ぎで記憶されるように、経済的な「ショック」を受けました。当時「アブラ外交」と揶揄されるまでに、日本外交はその対中東政策を大きく転換させ、パレスチナ問題をはじめとして中東政治に深くかかわっていくことになります。
 しかし、石油危機は、先進国の経済政策のみに影響を与えたのではありません。油価高騰で膨大な石油収入を得た産油国の多くは、大規模な国家開発計画を進めるとともに、レンティア国家と呼ばれる不労所得依存体質を強めました。またオイルマネーを利用した産油国の対外援助政策が、当時の冷戦構造や域内紛争、さらに途上国経済に与えた影響も看過できません。
 本ワークショップでは、半世紀前に起きた「石油危機」が、国際政治上、そして日本の政治経済においてどのような意味を持ったのか、その後どのような影響を与えたのかを振り返り、そのうえで、日本が今後この出来事からどのような教訓を学ぶべきかを、中東政治経済に対する研究者と元外交官を報告者にお呼びして、論じます。

◆日時:2023年10月5日(木)17:00~20:00

◆場所:東京大学駒場キャンパス18号館ホール
東京都目黒区駒場3-8-1

*オンラインでご参加希望の方は、こちらからお申込みください。
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZMlduCrqDwuHtHjbxWR5mOZiRDCaT1IqbhP

◆プログラム:

17:00~17:10 開会の挨拶・趣旨説明
(酒井啓子 千葉大学グローバル関係融合研究センター長)

第一部 石油危機が産油国と国際社会に与えた長期的影響

17:10~17:30 報告1 「石油危機は湾岸産油国に何をもたらしたか」
(松尾昌樹 宇都宮大学国際学部 国際学科 教授)

17:30~17:50 報告2 「9.11とイラク戦争の出発点としての石油危機」
(酒井啓子)

第二部 その時日本はどうしたか~元外交官に聞く

17:50~18:10 報告3 「日本・中東関係再考:石油を超えて」
(保坂 修司 日本エネルギー経済研究所理事、中東研究センター長)

18:10~18:30 報告4 「アラブ・アブラ外交から重層的交流まで」
(片倉邦雄 元駐エジプト・イラク・UAE大使、日本アラブ協会副会長)

休憩(15分)

18:45~19:15  片倉大使に聞く(インタビュアー:保坂修司)

第三部 総合討論  司会 鈴木啓之(東京大学中東地域研究センター)
19:15~19:35 質疑応答
19:35~19:45 まとめ
19:45~19:50 閉会の辞

◆主催:科学研究費補助金基盤A「空間・暴力・共振性から見た中東の路上抗議運動とネイション再考:アジア、米との比較」(研究代表:酒井啓子)

◆共催:日本エネルギー経済研究所中東研究センター
東京大学中東地域研究センター(UTCMES)

◆お問い合わせ先:
東京大学中東地域研究センター(UTCMES)・鈴木啓之
03-5465-7724 / suzuki*utcmes.c.u-tokyo.ac.jp(*を@に代えてご利用ください)