特別シンポジウム「イラク戦争から20年:イラク、中東、アメリカ、国際社会はどう変わったか」開催のお知らせ(2月13日配信)

 2003年に起きたイラク戦争から、今年で20年になります。同年3月20日に米軍を中心とした有志連合軍がイラクを空爆、続く陸上戦によって、開戦から二週間強で首都バグダードは陥落、40日後には当時のブッシュ米大統領が、「主要な戦闘の終結」を宣言しました。しかし、その後の米軍の占領統治、戦後政治体制確立の過程で、イラク国内では激しい反米・反政府活動が展開し、さらにはほぼ内戦ともいえる内部対立や「イスラーム国」の台頭、首都を中心とする反政府抗議運動の高揚など、戦後のイラクは激しい政治的動乱を経験してきました。一方で、2022年には初めてイラク国内出身の首相が誕生し、年末にはバスラでサッカーのガルフ・カップが開催されるなど、安定の兆しを見せています。
 本シンポジウムでは、イラク戦争から20年という年月を振り返り、イラクは今どのようになっているのかについて、イラク研究者の報告を伺います。また、イラク戦争とその後のイラク情勢の展開により、周辺国の域内関係はどのように変わったのか、さらにはイラク戦争を主導しその後占領統治に携わったアメリカにとって、イラク戦争はどのような影響を与えたのかをイラン、湾岸アラブ諸国、アメリカに関する研究者をお招きして、お話を伺います。最後に、イラク戦争が国際政治に与えたインパクトもまた、看過すべきことではありません。国際政治研究の第一人者をお招きして、議論を深めます。

 多くの方々のご参加をお待ちしております。

日時:3月10日(金) 13:30-18:00
会場:東京大学駒場キャンパス 18号館ホール
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/zenki/classes/layout/haichizu.pdf

オンラインでご参加の場合は、以下にて3月9日(木)正午までに、以下のフォームにてお申込みください。

特別シンポジウム「イラク戦争から20年:イラク、中東、アメリカ、国際社会はどう変わったか」オンライン参加申込書
https://forms.gle/myLEA82J6mK3DB4w7

プログラム

13:30-13:40 開会の言葉、趣旨説明
酒井啓子(千葉大学 グローバル関係融合研究センター)

13:40-15:10 第一部 イラクは今どうなっているか

「戦後20年のイラク国内の政治・社会の変化」
酒井啓子

「イラク・クルディスタンの"国家建設"とその限界」
吉岡明子(日本エネルギー経済研究所 中東研究センター)

「英雄か脅威か?―リスト実験結果からみるシーア派民兵集団に対する人々の支持度合い」
山尾大(九州大学 比較社会文化研究院)

質疑応答

15:25-16:25 第二部 イラクを巡る域内バランスがどう変わったか

「イラン:ガーセム・ソレイマーニーの22年」
松永泰行(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院)

「シーア派の三日月とイスラーム国-やっかいな隣人?」
保坂修司(日本エネルギー経済研究所 中東研究センター)

質疑応答

16:30-17:30 第三部 「イラク戦争」後のアメリカと国際社会

「イラク戦争とアメリカ政治・外交への影響―過去の主要な戦争との比較を視野に入れて」
佐々木卓也(立教大学 法学部)

「大国の『行動の自由』の逆説―武力不行使原則とその例外の拡張」
石田淳(東京大学 大学院総合文化研究科)

17:30-18:00 全体討論


主催: 科学研究補助金基盤(A)「空間・暴力・共振性から見た中東の路上抗議運動とネイション再考:アジア、米との比較」(研究代表:酒井啓子)
科学研究補助金基盤(A)「国際社会の保護・禁止等の範囲をめぐる学際的研究」(研究代表:石田淳)

◆問合せ: 千葉大学グローバル関係融合研究センター内事務局
Email: glblcrss*chiba -u.jp(*を@に代えてご利用ください)