アフガニスタン元留学生「教え子を救え!」プロジェクト・シンポジウム「私たちはいかにアフガニスタン人留学生を教えてきたか」開催のご案内(9月21日配信)

アフガニスタン元留学生「教え子を救え!」プロジェクト・シンポジウム
私たちはいかにアフガニスタン人留学生を教えてきたか

 下記の通りオンラインシンポジウムを開催します。

◆シンポジウム趣旨:
 2001年以降、日本が政府の肝いりで取り組んできたアフガニスタン復興活動では、アフガニスタンの将来を担う若者・知識人を日本に招いて教育機会を提供する教育支援が大きな役割を占めていました。日本政府の国費、あるいはJICAなど公的機関が行った研修事業によって日本の大学・大学院に留学したアフガニスタン人学生は、過去20年間で1400人近くになります。  これらのアフガニスタン人学生は、日本で技術、知識を学んだばかりでなく、思想・表現の自由や平等などといった基本的人権や民主主義的規範を身に着け、本国アフガニスタンに帰国後は、日本で学んだことを自国の復興に活かそうと、官民学さまざまな分野で活躍してきました。しかしながら、今般のアフガニスタン情勢の変動により、今後の政治的社会的混乱のなかで彼ら・彼女らがその役割を果たせる環境が引き続き確保できるかどうか、不透明な状態が続いています。なかには、いったん祖国を出ざるを得ない状態に追い込まれている者も、少なくありません。
 こうしたアフガニスタン留学生を受け入れ、教育機会を提供してきた大学などの教育機関に携わる我々としては、「教え子」たる彼ら・彼女らの、本国アフガニスタンにおける現状・将来に対して、大きな心配と危惧を抱かざるを得ません。我々は、彼ら・彼女らが引き続き精いっぱいの能力を発揮し、社会に貢献できるための安全が確保されることを切に望んでおり、そのためにあらゆる手立てを以て対応していただくよう、各方面にお願いしています。

 今回開催されるシンポジウムでは、過去20年にわたり日本の大学・教育機関が、いかにアフガニスタン人留学生を受け入れ、優秀な人材に育てていったか、彼ら・彼女らがいかに日本社会から多くのものを得てきたか、その経験を振り返りたいと思います。それによって、こうしたアフガニスタン人留学生が、アフガニスタンにとっての知識財産であるだけでなく、日本の国際協力にとっての大きな資産であり、彼ら・彼女らを守り続けることが国際社会の一員としての日本の責務であることを、再確認することが今求められています。みなさまのご参加をお待ちしております。

◆日時:
2021年10月2日(土)13:00~17:30
◆形式:
zoomによるオンライン

【議事次第】

開会 13:00~
司会と趣旨説明:
酒井啓子教授(千葉大学 法政経学部 大学院社会科学研究院)
1. 開会あいさつ(5分):
早稲田大学 田中愛治総長
2. 来賓あいさつ(5分):
国際協力機構 北岡伸一理事長
3. 講演(20分):
登利谷正人講師(東京外国語大学 世界言語社会教育センター)
「アフガニスタンの現状と社会背景」
4. 関係各大学からの留学生教育経験談(一校15-20分(質疑含め))
4-1. part1 報告
  • 広島大学:「平和構築教育を通じたアフガニスタン人留学生との交流」
    片柳真理教授(大学院人間社会科学研究科/平和センター 副センター長)
  • 東京外国語大学(PCSコース):「アフガニスタン学生が学んだこと・彼らから教えられたこと」
    伊勢崎賢治教授(大学院総合国際学研究院)
  • 東京農工大:「カブール大学復興支援の実績と元留学生の窮状」
    大川泰一郎教授・船田良教授(大学院農学研究院 )
  • お茶の水女子大学:「復興期の科学技術分野における女性支援~五女子大学コンソーシアムを基盤として」
    森義仁教授(理学部)
休憩:10分
15:00~
4-2. part2 報告
  • 司会 小川玲子教授(千葉大学 大学院社会科学研究院 法政経学部)
  • 報告
  • 九州大学:「九州大学政治学系国際コースの事例」
    蓮見二郎教授(法学部)
  • 名古屋大学:「名古屋大学国際開発研究科の事例」
    島田弦教授(大学院国際開発研究科副研究科長)
  • 東海大学:「東海大学の使命とアフガニスタン留学生」
    吉川直人教授(国際担当副学長)
  • 筑波大学:「農業経済学分野での事例:となりのアフガン人」
    氏家清和准教授(生命環境系)
5. 在日アフガニスタン人の場合(15分):
多文化フリースクールちば 白谷秀一先生「私たちのスクールのアフガニスタン人生徒」(子弟の教育に関して) 
休憩:5分
17:00~
6. 全体討論 (20分程度)
嶋田晴行教授(立命館大学大学院国際関係研究科 研究科長)
7. 閉会の挨拶
東京外国語大学 林佳世子学長
※参加費無料/参加お申し込み(締切:9/30(木)午前10時/先着順:1000名)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSekHTT_mVReLaKXl7pfMSdvAj0fyg_JK5P-rEoeVerxZUqP0w/viewform?usp=sf_link
  • 上記URLより参加申込書にご記入ください。
  • 開催前日にZoom情報をご案内いたします。
  • お問い合わせ:シンポジウム事務局symposium1002@tufs.ac.jp
◆共催:
・東京外国語大学大学院総合国際学研究科
・千葉大学グローバル関係融合研究センター
・千葉大学リーディング研究育成プログラム「日本の多文化共生社会構築へ向けた移民・難民研究」
◆協力:
・科学研究費助成事業新学術領域研究「グローバル関係学」(領域代表:酒井啓子)