シンポジウム「アジアを知る 短編映画『シリア三部作』から考えるシリアの今――アンマール・アル=ベイク監督を迎えて」開催のご案内(5月2日配信)
シンポジウム「アジアを知る」
短編映画『シリア三部作』から考える
シリアの今
――アンマール・アル=ベイク監督を迎えて――
Symposium: Knowing Asia
Considering Syria
through "Syrian Trilogy" of Short Films: With Filmmaker Ammar Al-Beik
- 受付終了のお知らせ
先着50名となりましたので受付を終了しました(2019年5月9日10時) - URL:https://asnet-utokyo.jp/studies/event/5325
【主旨】
シリア出身で現在はベルリンを拠点に活躍する映像作家で美術家のアンマール・アル=ベイク氏を迎え、2011年以降のシリアをテーマに制作された短編映画3作品を上映する。
後半は来日中の監督と、シリアに長く暮らした経験を持つ岡崎弘樹氏(アラブ政治思想研究)の対談形式で、監督のアーティストとしての活動を紹介。昨今多くのシリア映画が日本に紹介されたが、民衆蜂起とそれに共鳴した人々の私的な空間とのつながりは長らく謎であった。私と公、現場と亡命先、希望と憤慨と諦念が交錯する3作品を通じて表現されたシリアの8年間、そして今について語り合う。
- 【日時/Date】
- 2019年5月10日(金)18:30-21:00
Friday, May 10th, 6:30-9:00 pm - 【会場/Venue】
- 東京大学東洋文化研究所3階大会議室
Main Conference Room, , 3rd floor, Institute for Advanced Studies on Asia, The University of Tokyo
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/eng/access/index.html(Access) - 【言語/Language】
- 上映言語:アラビア語、フランス語、イタリア語 字幕:日本語、英語、アラビア語
トーク:アラビア語、日本語(逐次通訳付)
Film:Arabic, French & Italian Subtitles: Japanese, English & Arabic
Talk: Arabic & Japanese (with Interpretation)
【プログラム】
- 司会:山本薫(慶應義塾大学)
- 18:30
- 開会の言葉 後藤絵美(東京大学)
- 18:40
- 短編映画『シリア三部作』上映開始
「太陽のインキュベーター(The Sun’s Incubator)」11分、2011年。
「シリアの甘い生活(La Dolce Siria)」26分、2014年。
「万華鏡(Kaleidoscope)」20分、2015年。 - 19:40
- 休憩
- 19:50
- アンマール・アル=ベイク監督×岡崎弘樹(学術振興会研究員)
- 20:30
- 質疑応答
- 21:00
- 閉会の言葉 長沢栄治(東京外国語大学)
監督紹介
アンマール・アル=ベイク Ammar Al-Beik
1972年ダマスカス生まれのアンマール・アル=ベイクは、ベルリンに拠点を置く映像作家・美術家。当初は写真家として活動し、1990年代後半より映像の制作にも取り組み、以来、ジャンルを超えた作品で広く知られるようになる。アル=ベイクの映画は様々な国際映画祭で上映され、美術の分野でも世界中の展覧会に出展している。ゲーテ・インスティトゥート東京の「亡命中―ゲーテ・インスティトゥート・ダマスカス@東京」のゲストとして4月1日より5月15日まで東京に滞在中。
上映作品紹介
「太陽のインキュベーター(The Sun’s Incubator)」11分、2011年。
2011年、ベネチア国際映画祭でプレミア上映された本作は、作家本人の個人的な体験と政治的出来事を織り交ぜる。監督自身の娘の誕生と、シリア革命初期に体に障害を負って殺された13歳の少年ハムザ・アル=ハティーブの映像を題材に、監督が「生」と「死」、そして政治的コミットメントについて考察する。
「シリアの甘い生活(La Dolce Siria)」26分、2014年。
1960年に発表された、フェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』への風刺的な応答。『甘い生活』の主人公マルチェロ・ルビーニが探し求めた「愛」と「幸せ」が、現在のシリアにおいて絶望的に失われてゆく様を、監督が映画史を引用しながら描く。このエッセイ的映画は2015年ベルリン映画祭の「Forum Expanded」部門で発表された。
「万華鏡(Kaleidoscope)」20分、2015年。
2015年、ドバイ国際映画祭でプレミア上映された3作品目は、絶望から抜け出そうとする男女を描いている。フォトジャーナリストのアンマールと愛人のマリーが一夜を共にする。女優になりたいマリー、一方のアンマールは執りつかれたように故郷のシリアからのニュースを追い続ける。共に過ごす一夜、トラウマを抱えた二人にとって、欲望とセックスは安心できる隠れ家となる。
【主催】
- 科研費新学術領域研究「グローバル秩序の溶解と新しい危機を超えて」計画研究B01「規範とアイデンティティ:社会的紐帯とナショナリズムの間」(代表:千葉大学酒井啓子)
- 東京大学 日本・アジアに関する教育研究ネットワーク
【共催】
- 科研費基盤研究(A)イスラーム・ジェンダー学の構築のための基礎的総合的研究(代表:東京外国語大学 長沢栄治)
- 東京大学 東洋文化研究所
- 中東映画研究会
【協力】
- ゲーテ・インスティトゥート東京
関連研究計画:計画研究B01