講演会「最近のイラク・クルド情勢--報道の現場から」を実施(6月17日配信)

 6月13日、元NHK記者/ディレクターで現在映像制作会社の「ユーラシアビジョン」代表を務める新田義貴氏を千葉大学にお招きし、最近のイラク、クルド地域での取材体験を交えて中東の現状について、講演をいただきました。講演では、2016年3月および年末のイラク北部取材の様子を記録したビデオが紹介され、そこでは現在進行中のイラク軍によるモースル奪回作戦の過程で解放されたキリスト教徒の村などの、無残な様子が映し出されました。逃走するISがあちこちの油田を爆破していったこと、教会など徹底的に破壊したこと、一方でイラク戦争後の復興ブームに沸くクルディスタン首都のアルビルでの建設ラッシュの様子など、そのギャップには深く考えさせられるものがありました。
 また、取材対象であるキリスト教徒の教師の男性が、教え子がISに参加して自分を襲ったことに衝撃を受けた、と語っていたことは、深く聴衆の印象に残りました。
 学内外の研究分担者、協力者のみならず、学部、大学院の学生など若手研究者も多く集い、活発な議論が繰り広げられました。

以下は講演会の撮影した写真です。

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