経緯

 広井良典先生がリーダーを務められた21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」が2008年度で終了した後、今年度から、「環境制約・人口減少下でのコミュニティ形成」と題する研究プロジェクトが始まりました。このプロジェクトは千葉大学が今年度から始めたスタートアップCOEというプログラムの一つに選ばれたものです。スタートアップCOEは、外部の大型の研究資金を取りにいけるような研究プロジェクトの卵を育てようという趣旨のものです。

 「環境制約・人口減少下でのコミュニティ形成」という研究プロジェクトでは、人口減少下、環境制約下において、エネルギー・食料・都市機能を確保して、生活の質が高いコミュニティをどのように維持していくのかという点が、われわれ日本が直面する大きな社会的課題ではないかと考えております。すでに社会全体として人口減少の方向に向かっております。また、地球温暖化、ごみの量の増大の問題やヒートアイランド問題など、さまざまなかたちで環境制約が顕在化しているところです。

 そのような中で、持続可能なコミュニティを地域レベルでどのように構築していくのかが、われわれの研究テーマとなります。先行して行われた「持続可能な福祉社会のための公共研究拠点」プログラムは、持続可能な福祉社会をローカル、ナショナル、グローバルの三つのレベルで構想していこうというものであったのですが、本プログラムは、ローカルな領域に焦点を当てて、持続可能で福祉が確保されたような社会をどのように構築をしていくのかを研究するものとなります。

 この課題に対して、文理融合で取り組むというのがわれわれの研究チームの特徴です。持続可能な福祉社会づくりに関連して、福祉政策・環境政策・労働政策といった観点から取り組んでいた法経学部総合政策学科のメンバー(広井・倉阪・大石)と、まちづくり・都市計画という観点から取り組んでいた工学部都市環境システム学科のメンバー(岡部・宮脇)の両者が融合して研究チームを作っています。

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